熟れ寿司がルーツ
世界中でヘルシーな料理として愛されている寿司は、日本を代表する和食です。
その歴史は8世紀ごろまでさかのぼることができます。
8世紀ごろ作られていたのは、米と魚を発酵させて作った熟れ寿司です。
今でも日本全国に特色のある熟れ寿司が存在しますが、かなり古くから作られていることがわかります。
代表的な熟れ寿司としては、琵琶湖の鮒鮨や富山のますの寿司、紀州のさんま寿司などがあります。
どちらも発酵食品の1つです。
発酵食品の独特の香りと風味があるため、慣れない人には少しとっつきにくい寿司かもしれません。
慣れてくると病み付きになる方が多く、それぞれの郷土の味として愛されてきました。
江戸前寿司
今のような寿司が登場したのは江戸時代のことです。
米に酢を混ぜる作り方が考案され、その酢飯に魚介類を乗せて食べられるようになりました。
最初は立ち食い屋台で販売された寿司は、ちょいとつまめることから今でいうところのファストフード的な食べ物でした。
江戸時代にはあまり衛生管理が行き届いていなかったはずなのに、酢飯とはいえ生ものを楽しむようになったのはなぜでしょうか。
銭湯に入りサッパリしたところで食べたからなどの説がありますが、本当のところはよくわかっていません。
ちなみに、よくある握り寿司が江戸前寿司と呼ばれているは、江戸の前の海、つまり東京湾で獲れた魚介類をネタとしてのせたからだと言われています。
今ではネタに東京湾で獲れた魚介類が使われていない場合でも江戸前寿司と呼ばれています。
これは江戸風ぐらいのノリで呼ばれているだけで、あまり深い意味はないようです。
進化し続けている寿司
昔は寿司職人が握っていた寿司もロボットが握るようになり、小皿に乗せられてベルトコンベアで運ばれる回転寿司などが人気です。
安価に作ることができ、食べたいものを食べたいだけ食べられる気安さが受けたからでしょう。
代表的な和食のはずの寿司は、世界に飛び出し独特の進化を続けています。
アボガドなどが入ったカリフォルニアロールはまだかわいいほうで、寿司と呼べるのかどうかわからないほどユニークなスタイルの寿司も登場しています。
酢飯に具をのせれば寿司になるわけですから、いくらでもフリーダムな寿司を作ることができるからでしょう。
どのような形であっても、寿司を世界中の人が喜んで食べてくれるのはうれしいことです。
もともとファストフードだった寿司に決まり事などありません。
これが寿司だと型にはまることなく、もっと自由に楽しむ方が増えてくれることを願います。